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耐力壁の強度試験

 
  正式の耐力試験ではないものの
 
  その壊れ方を実際に観る機会を得たので・・・
 
  (信州木造塾の一プログラムです)
 
            
 
 
  まずは、
  筋交いとすれば一般的な90×45の圧縮に利く筋交いフレームで
 
 
 
 
 

 
  筋交い金物は、一般的な二点止め
  (色々な面からこの金物が主流と思われますが
  使用箇所によっては、危険側になる部分もある事を付け加え)
 
            
 
 
  引張方向の筋交いの壊れ方
 
            
 
 
  圧縮方向の筋交いの壊れ方
 
            
 
  
  色々な文献の写真等で
  圧縮筋交いの座屈により壊れる事が当然であるけれど
  その過程で座屈防止効果が
  間柱と筋交いとの緊結と
  間柱を止めている上下横架材へ釘の役割・・・・重要である事を再認識
    
     試験体の間柱は、30×105 を横架材に斜め釘打ち二本
     一般的には、剛床板があるので間柱を欠いて横架材に取り付ける
     その場合の間柱の効きは? 
 
     この辺りを施工にフィードバックした図面が設計者たる存在価値のひとつと


  それ以前の大前提は、筋交いが壊れても
  それを構成する柱と横架材の接合部が壊れない・・・・です。
 
 
 
 
  面材耐力壁
  変形は、こんな感じ
 
  真壁以外 
  面材同士がセリ合うという左右のクリアは、必要ないと考えていたが
  いまひとつ自信が持てない事柄のひとつでした
  今回の試験体を観て 上下だけのクリアで と再認識
 
            
 
   面材耐力壁の靱性
   釘が引き抜かれながら変形する(下の釘)・・・良い変形

   面材耐力壁の脆性
   面材から抜けてしまう変形(パンチング)(上の釘)・・・悪い変形

   靱性を持たせる施工は、自ずと決まるはずなのだが
   なかなか施工者には、理解してもらえないことも・・・
 
 
 
   大手メーカーの面材耐力壁

   加力前の状態
   
            
 
    加力中
    釘がめり込み 周囲が壊れ始める
 
             
  
    当然の変形事象(パンチングと釘の引き抜き)が起こると・・・
 
 
            
 
  結果は、全てパンチング・・・脆性破壊

  これは、強度型 一度の地震は良いけれど 次はない壊れ方

    当方が出来ることとすれば、釘頭が僅か大きなCN釘を使用することぐらいしか
    方策が見つからない・・・
    釘頭が大きい釘の存在も知ってはいるものの
    この様な材料の世界は、認定の有無・・・良いと思っても使用できない
    実験すれば使用可となるだろうが
              企業の資本力如何・・・・(溜息)

  この結果を観て
  後発の面材耐力壁もたぶん同じ様な崩壊形になるのだろうと想像してしまう

  それにしても
  この崩壊形は、ショック・・・・。

 
 
  メーカーさんに
  認定試験の結果の内容を公開して頂き
  靱性を持たせる釘(ファスナー)を再考してほしいものです。

 
 
 
 
 
 

| 出来事 | 09:22 PM | comments (0) | trackback (0) |

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