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無垢材と集成材3

 
  無垢材と集成材どちらを選択したらよい?の更につづき 
 
 
 

前回は、構造フレームを考える上では、集成材の方が、コストバランスが良いのでは?
 
  と綴りましたが、材料自体のことを・・・

人工乾燥について
 方法論などの詳細は、その分野の方にお任せして・・

 人工乾燥は、材断面が大きくなるほど均一に乾燥することが難しく
 外部から判らない内部割れを起こしている場合もあることを知られています。
                  (あまり問題視される事はないのですが、・・・・?)
 逆に集成材のラミナ材は、材自体が小さい断面の為その分だけリスクが少ない
 と言えるかもしれません。
 又、ラミナ材の欠点部分は、省かれてしまう為、材自体は、無垢材より欠点部の
 リスクが少ないと言えるでしょう。
  (ラミナ材は、材が小さいので一本の丸太から沢山の木取りが出来る様な気がしますが、
   省き等がある為、無垢材より部溜まりが悪い様です。
   同種の無垢材と集成材では、集成材の方が高価となる理由の一つなのかな。)

 人工乾燥された木材は、木自体の持つ色合いや香りは、かなり失われてしまいます。
  (材木とは、強度だけで良いのかという素朴な疑問ありますが・・・?)
 木材本来の味は、天然乾燥材にかなうものはないでしょう。

集成材の接着剤について
 集成材の接着剤は、材を構成する上での要であることは周知のとおりです。
 材の剥離は、あってはならないことですが、
 現実に、ある種の集成材に起こってしまったことも事実です。
  (大量発注に伴うダンピングや納期短縮等による市場経済の弊害とも
   受け取れますが・・・)

 接着剤には、
 水性高分子イソシアネート系接着剤(白糊)
  色は、乳白色で最近(1992年頃)より使用されるようになったものです。
  新しい接着剤なので経年変化による実績年数が短いということは、
  否めないと思われます。
 レゾルシノール樹脂接着剤(黒糊)
  色は、褐色で古く(1960年代後半)から使用されているもので
  現在も建物とし健全に保たれているという話を聞きます。

 シックハウス対策に関し、
  現在の接着剤は、F☆☆☆☆の製品となっているので
   F☆☆☆☆ ≠ 安全な製品 → F☆☆☆☆ = 危険な物が少ない製品かな?)
  特に過敏な方を除いて 一般の方は、気にすることもないと感じています。
   (新築のアパートなどに住んでいて何もなければ、まず問題なしと考えて良いのでは?)

 集成材の剥離に関し、
  材料の製作不良を除き、過酷な状況に置かれることが主な原因と思われます。
  集成材JASの使用環境Cでは、含水率が時々19%を超える環境・・・とあり、
  一般の住宅の木材が含水率15%前後で落ち着いていることを考慮すると、
  剥離するというリスクは、非常に少ないと感じています。
  もし、水や湿気により剥離する状況にあったとするならば、
  例え無垢材であったとしても百害あって一利無し
  その様な状況とならない住宅の設計をすべきと考えます。
   (耐候性の少ない樹種の集成材と無垢材の他の樹種との経年変化による
    外部での暴露状況写真を見ますが、
    少なくとも同材種の集成材と無垢材の比較でなければ・・・
    又、想定しない使用環境の暴露状況を再現しても・・・
                              如何なものかと感じます。)

材料強度について
 集成材は、強いと言う印象が先行していますが、
 材強度として無垢材より上にある傾向にあるのであって
 強い = 耐震性が優れているではないのです。
 木構造の材強度に対し、ぎりぎりの設計をすることは、
 木と木構造の特性上 非常に危険側になる可能性がある為、
 余裕のある安全側に設計します。(私個人の見解です。)

 その中であえて配慮する数値を上げるとすれば、
 たわみに関する数値のヤング係数でしょうか。
 と言うように材強度は、適正な設計をされていれば
 さほど問題視する事ではないのでは・・・・と感じています。

 材自身の均一性や担保される強度の安全率からは、
 無垢材より集成材の方が一般的な住宅には、有利かも?

 
 
 
今回のまとめ

 材自体だけのことを考えると無垢材の方が良いのかもしれないですね。

                                     -つづく-
 
 

| 建事一考::無垢材と集成材 | 02:34 PM | comments (0) | trackback (0) |

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